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人生いろいろ、幸せの形もいろいろ!さまざまな家族の姿を描く映画ベスト10

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厳しい現実に立ち向かい愛し合う
家族の姿を描いた感動作!

Sorry We Missed You「家族を想うとき(2019)」

© Sixteen SWMY Limited, Why Not Productions, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation,France 2 Cinéma and The British Film Institute 2019

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辛くても愛する家族が
毎日を進む活力に

イギリスを舞台に、あまり裕福ではない家族の苦悩を描いています。家族のために毎日必死に働いても生活は楽にならず、家族と過ごす時間が減り家族の仲に亀裂が入ってしまいます。
 
原題の「Sorry We Missed You」は不在票に書かれるお決まりの文句です。しかし最後までこの映画を観ると違った意味が込められているように思えるのです。
 
現実を描いているが故に、明るく笑えるお話ではないのですが、そこかしかに家族が思い合うシーンが散りばめられていて、考えさせられる部分がたくさんあります。

体力の限界を感じ
転職した父を待ち受ける困難

© Sixteen SWMY Limited, Why Not Productions, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation,France 2 Cinéma and The British Film Institute 2019

建築に関連する仕事をしていた父のリッキー(クリス・ヒッチェン)は、体力の限界を感じ転職を決意。生活保護はプライドがあるため受けられないと話し、フランチャイズの運送ドライバーに転職します。
 
個人事業主の扱いとなるため、配達に必要なバンを自分で用意しなくてはならないことに。そこで、友人に相談したリッキーは、長い目で見たらレンタルするよりも購入した方が良いと勧められます。
 
しかしバンはローンの場合、月に400ポンド(約8万円)ですが、手付金1000ポンド(約18万円)が必要となり高額です。
 
失業中で困っていたリッキーはとても用意できないと言いますが、なんとか妻のアビー(デビー・ハニーウッド)を説得します。

パートタイムの介護士として
忙しく働く妻アビー

© Sixteen SWMY Limited, Why Not Productions, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation,France 2 Cinéma and The British Film Institute 2019

パートタイムの出張介護士として働く妻のアビーは、お客様を家族だと思って接することにしているため割り切れず、時間外労働を余儀なくされています。
 
夜遅くに帰ってくると、寂しくて寝つけなかったまだ幼さの残る小学生の娘・ライザ(ケイティ・プロクター)に出迎えられ彼女をすぐに寝かしつけるのでした。 
 
そして夫の見つけてきた新しい仕事は、非常に高給ですがリスクが高く、特に1日14時間/週6日も働く必要があるためアビーは心配します。
 
しかしリッキーは、家から追い出される心配をせずに暮らしたいという思いが強く、約2年でマイホームを購入するために、アビーをなんとか説得します。そしてアビーは夫と家族のために自分の車を売り、バスと徒歩で訪問介護の仕事を続けるのです。

必死に仕事を頑張るほど
家族が引き離されるジレンマ

© Sixteen SWMY Limited, Why Not Productions, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation,France 2 Cinéma and The British Film Institute 2019

リッキーとアビーが朝早くから夜遅くまで働く間、高校生の息子・セブ(リス・ストーン)は、グラフティに夢中になり学校をサボるように。セブは家族を大事に想っていますが、反抗期なのか心のない言葉を父に言ってしまいます。
 
一方、リッキーはライザをバンに乗せ配達の仕事を手伝ってもらうなど、いろんな方法を考えて家族と過ごそうとします。その夜、家族そろって食事をするととても良い雰囲気になり、セブも楽しそうでした。
 
しかしすぐに運送会社からバンに他の人を乗せるなと怒られてしまい、孤独に働くことを余儀なくされます……。
 
セブやライザとすれ違う日々が続き、リッキーは家族のために休暇を申し出ますが、個人事業主なので自分で代わりの人を見つけろと言われてしまいます。
 
そんななかセブはペンキを盗み万引きで逮捕され、リッキーは仕事を放って息子の元へ急ぎます。警察はセブに立ち直って欲しいと思い、父が来てくれたことを感謝すべきだと伝えます。
 
しかし苛立ちからセブは素直になれずリッキーと衝突。家族の写真に×を描いて家を出ていってしまうのです。
 
翌日、仕事で必要なバンのカギがなくなっていることに気づいたリッキーは、2日連続で仕事に穴を開けてしまいます。当然、運送会社は家庭の事情など考慮せず、リッキーを激しく叱責します。
 
その後、リッキーは再び働きに戻りますが、居眠り運転をしそうになるなど、限界を感じていました。そんなある日、リッキーは配達中に強盗目的の若者3人組に暴行され大怪我を負います。
 
運送会社の責任者はリッキーの心配ではなく、壊された備品の請求を求め、それを聞いたアビーは激怒し、泣き崩れるのでした。 
 

何が家族にとって一番良いのか
考えさせられるラスト

© Sixteen SWMY Limited, Why Not Productions, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation,France 2 Cinéma and The British Film Institute 2019

この映画は、結末に明確な答えを出しません。両親は家族のために必死に働き、子供たちを愛しています。
 
しかし愛だけでは家賃は払えず、食品も買えません。だから大怪我を負っていても家族のために仕事へ行こうとする父。
 
そして父に仕事へ行かず、昔のように一緒に居て欲しい家族。どちらかが間違っているわけではなく愛があふれています。
 
家族の在り方に悩むとき、真面目な話をパートナーとしたいときに先にこの映画を観ると、愛を持って冷静に会話することが出来るかもしれません。

(じぇみじぇみ子)

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