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“永遠の愛”を誓い合う
最高に幻想的な森の中のウェディング
The Twilight Saga: Breaking Dawn – Part 1「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーンPart1(2011)」
PHOTO:AFLO
数多の困難を乗り越えて
“永遠の愛”を誓うには?
“永遠の愛”を誓い合うのが結婚式。
でも、5年後の自分の姿すら想像できないのに“永遠”なんて……、とマジメな人ほど結婚についてあれこれ考え過ぎてしまいがち。
そんな人にオススメしたい映画が、“人間とヴァンパイア”の禁断の恋の行方を描いた「トワイライト」シリーズだ。
そのシリーズ第4弾となる「~ブレイキング・ドーンPart1」では、人間の少女ベラとヴァンパイアの美青年エドワードが、数多の困難を乗り越えて迎える結婚式が詳細に描かれている。
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そして“人間とヴァンパイア”という関係でキーになるのが、ヴァンパイアは文字通りの“永遠”を生きている、ということ。
つまり、人間であるベラが“永遠の愛”を誓う=結婚するには、人間からヴァンパイアに転生しなければいけないのだ。
老いることのない“永遠”を生きることの苦しみを知っているエドワードは、ベラに少しでも長く“人間”でいて欲しいと願っている。
一方で、少しでも早くエドワードと運命を共にしたいと、ベラの転生への決意は揺るがない。
ファンタジックな設定だからといって、侮るなかれ!本作には“永遠の愛”という大きなテーマと共に、結婚について考えるヒントが散りばめられている。
まずは、女性の夢をすべて叶えてくれたような素敵な結婚式までの様子を見てみよう。
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結婚式を完璧にするのは
2人の意思の強さと家族の愛
相手の家族の愛されること。それが2人の結婚式を愛にあふれた、温かで完璧なものにしてくれると、本作ではしみじみ感じ入らされる。
だが結婚前夜だというのにエドワードは、ベラを訪ねて「僕の話をすべてしていない」と、物騒なことをわざわざ口にする。
ヴァンパイアに成り立ての頃、まだ完璧に“血への欲望”を制御しきれなかったために、人間を殺したことがあるのだ、と。
それを受けてベラは、「なぜ今夜言うの? 私が心変わりするとでも!?」とエドワードの不安や迷いを一瞬で払拭する。
相手の過去。たとえそれが恐れるに足るものだったとしても、当然のように引き受けて動じない。
そんなベラの強さは、結婚する前にぜひとも身に付けておきたいものだ。
きらめくサムシングブルー
すぐに真似したい
“幸せのおまじない”って?
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いよいよ結婚式当日。ベラの両親が娘へ「青いものは縁起がいいから」と、祖母のサファイアを埋めた髪飾りをプレゼントする。
そう、いわゆる“サムシングフォー”といわれる幸せのおまじない。何か青いもの(サムシングブルー)と、何か古いもの(サムシングオールド)を贈るのだ。
「もし娘が生まれたら、これを贈って。代々受け継いでいってね」
“代々受け継ぐ”という意識も儀礼も、今の日本では希薄になっているだけに、その贈り物が実に新鮮に映る。
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結婚式場は、エドワードの家族が住む森の中の豪奢な家の庭。
木々のライティング、白い花でデコレーションしたアーチなど、キラキラした夢の中のようだ。
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新郎や皆が揃ったアーチまで、緊張した面持ちの父親と2人で歩いていく、少し長いヴァージンロードが、また感動的。
「しっかり支えてね」「任せとけよ」と父と娘が交わす言葉にも、無言で歩く時間にも、2人の万感の想いがあふれていて、胸がキュンとしてしまう。
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そんな2人の姿を微笑みながら、誇らしげに待つエドワードの様子に、観ている女性はみな幸せで胸がいっぱいになるハズだ。
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父から新郎へ花嫁の手が渡される。そんな儀式は何だか照れくさいような気もするが、彼らを見守る列席者はみな笑顔。
どこまでも祝福ムードに包まれた会場内の雰囲気を目の当たりにすれば、結婚式って、やっぱり特別な瞬間なんだなと感じさせられる。
「君と共に過ごす時間はどれだけ長くても足りない。永遠に一緒にいよう」
そんなエドワードの誓いの言葉がまた最高にロマンチック!
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「病める時も健やかなる時も…」
誓いの言葉は “結婚”の極意!
エドワードの姉妹が「結婚って最初の1年が最も難しいって」と言う。その言葉に思わず納得してしまうように、結婚は激変でもある。
事実ベラも「結婚して何か少し変わった」と少し寂しそうに呟く。
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その変化とは客観的に見れば分かるように、それまで以上に大切にいたわるエドワードの気持ちの現れでもあるのだ。
結婚することによって“惚れた腫れた”といった情熱の爆発が失われることに、一抹の寂しさを覚える人もいるだろう。
だが、恋人から家族への関係性の変化は、互いを慈しみ合う愛への変化だと、その確かにつながった喜びを本作は実感させてくれる。
人間からヴァンパイアになる。そんな“覚悟”を私たちが求められることはないが、互いの人生を背負い合う覚悟の強さは見習いたいもの。
あの夢のような結婚式は、家族の結束式であり、“永遠”という時を共に生きる覚悟の宣言だったのだ。
それを最高にロマンチックに成立させるために結婚式があるのだと、本作が改めて気付かせてくれた。