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“円満”結婚の秘訣を伝授!
育んだ愛を貫く方法とは?
Forces Of Nature「恋は嵐のように(1999)」
PHOTO:AFLO
結婚式直前に花婿が
ワケあり美女と2人旅!
結婚は恋のハッピーエンディングなのか、愛ある幸福の始まりなのか?
いや、「結婚とは終生まで続く墓場である」みたいな皮肉な意見もあるけれど、結婚直前には花嫁も花婿もちゃんと覚悟を決めていたいもの。
「恋は嵐のように」は、まさに結婚直前に忍び寄る不安や周囲からの茶々入れが2日間に集中して、怒涛の嵐を巻き起こすロードムービー仕立てのロマンチック・コメディだ。
ベンはパーティーで知り合った美人のブリジットと順調交際の末に婚約。2日後にブリジットの実家があるサバナという町で結婚式を挙げることになっている。
ところが独身さよならパーティーに参加した祖父が心臓発作を起こしてしまう。ベンは看病のためにニューヨークに残り、ブリジットが先に結婚式の準備のためにサバナへと向かう。
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そしてようやくサバナ行きの飛行機に乗ったベンだが、離陸前の事故で飛び立つことができなくなり、隣の席に座っていたワケあり美女のサラと一緒に陸路でサバナへ向かうことになるのだが…。
結婚前の心のすき間に
誘惑の魔の手が忍び寄る
と、ここまで読んで、ああ、これはベンとサラのラブストーリーだなと気づかない人はいないはず。
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運命のイタズラで出逢った男女が、結ばれてはいけない相手と知りながら惹かれ合う。これぞラブストーリーの黄金律と言っていい。
ベンはブリジットになんの不満もない。いや、心から愛しているはずなのに、それでも自由奔放なサラに惹かれていくのはもはや“ラブストーリーの呪い”のようなものだ。
しかも短い旅の間に出会うあらゆる人たちが、結婚への後悔や恨み言、離婚した時の解放感についてベンに語って聴かせるのだから始末が悪いというべきか可笑しいというべきか。
サラ自身も結婚に二度失敗しており、サバナに向かっているのは若い頃に前の夫のもとに残してきた息子に再会するため。サラはベンに「誰かと一生を共にするなんて信じられない」とこともなげに言う。
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ニューヨークからサバナまで約1300キロの旅もベンとサラの気持ちを近づけずにいられない。
最初の飛行機事故に始まり、レンタカーをシェアした男が大麻の売人で留置所に入れられたり、乗った列車の車輌が切り離されて明後日の方向に向かっていたり……。
神様のイタズラのように続々とハプニングが押し寄せては、2人は否が応でも力を合わせざるをえなくなる。最初はいけ好かなく見えていた相手のいいところもどんどん見えてくる。
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もはやベンにとっては、あんなに待ち焦がれたブリジットとの結婚への決意は揺らぐばかり。出会ってまだ2日のサラを選び、ベンはブリジットを捨ててしまうのか?
花婿は信用ならないダメ男?
それとも男女誰もが通る道?
結婚に憧れる女性にしてみたら、こんな優柔不断な男は願い下げだろう。実際、誰よりも堅物だったベン自身も自己嫌悪が収まらない。
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一方サバナでベンの到着を待っているブリジットも、ベンの真意を疑い始める。たまに入るベンからの連絡は要領を得ないものばかりだし、別の女と一緒にいたなんて目撃証言まで飛び込んでくる。
すごくリアルに感じられるのが、実家にいるブリジットをうんざりさせるのがベンだけでなく、実の両親だったりすること。
良かれと思っているような口調で婚約者を悪しざまに言ったり、身も蓋もない夫婦ゲンカで娘をイライラさせたり。
一度離れてしまった実家がホームではなくアウェイである感覚を知っている人は多いはず。しかもブリジットは結婚直前で誰よりもセンシティブになっている。
そんな時に一番味方になって欲しいベンはどこにいるかもわからない。そんな時に未練タラタラの元カレが近づいてきたりするのもラブコメを面白くする黄金ネタと言えるだろう。
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結婚式まではイバラの道
頼れる指針は最初の気持ち
映画をおすすめしたくてこの原稿を書いているのにこんなことを言うのもなんだが、実はこの映画、決して評判がいいわけではない。むしろラブコメを期待して観た人にこそ評判が悪いのだ。
なぜならほとんどの人がベンとサラを応援してしまうから。ベンを演じたのはベン・アフレック。サラ役はサンドラ・ブロック。ただでさえ人気スターだし、2人が惹かれ合っていくプロセスを、観客は映画を観ながら共有することになる。
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花嫁側からしたらこんなにタチの悪い主人公たちはいない。気持ちがフラつく花婿も、脇から現れてフラつかせる女も、磔にしてムチに打たれてしまえばいい!
ではなぜこの映画を紹介しているのか? それは、ベンが最終的に下す決断に、理屈でも義理でも妥協でもない、育んできた時間に裏打ちされた「この人しかいない!」という強い想いが宿っているからなのだ。
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嵐に見舞われたガーデンウェディングの会場にヨロヨロの姿でたどり着くベン。ベンを信じて白いドレスに身を包んで待つブリジット。
将来の保証のためでも長すぎた春の後始末でもなく、2人はなぜ結婚を決めたのか? 結婚にはさまざまなノイズが入り込んでくるが、最もこの気持ちに立ち返る大切さを「恋は嵐のように」は教えてくれるのだ。
ヒロインが失敗から導き出した
夫婦円満の法則
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最後に結婚歴2度のブリジットが、物語の中盤でベンとダンスしながら、彼に伝授した夫婦円満の秘訣を紹介したい。
・誕生日を忘れずハデに祝うこと
・セックスの後、人間として抱きしめること
・ベッドでは靴下は厳禁
・嫁・姑の対立では常に妻の味方をすること
・上の空でなく相手の話を真剣に聞くこと
・暴力は絶対に振るわないこと
・相手の嫌な癖は「完璧な人間はいない」と自分に言って許すこと
いかがでしょうか? ひとつでも思い当たることがあったら、結婚前でも結婚後でもあらためてみることをおすすめします!